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    私の沖縄音楽との出会いは1970年代半ば、ベトナム戦争末期にコザで頭角を現したハードロック・バンド「紫」でした。当時、私は実家にほど近い横須賀のドブ板通りで少々やんちゃをしていたため、同じく在日米軍基地を抱く、未だ見ぬ沖縄とは、ある種の空気感を共有していたように思います。
    その後、坂本龍一さんとお仕事をさせて頂き、沖縄民謡界の大御所である知名定男さんがプロデュースしたネーネーズと出会い、沖縄民謡の魅力を知るに至りました。今、最もお目にかかってみたい唄者は、上間綾乃さんです。

 
   小雨そぼ降る今朝は、彼女の圧倒的な歌唱力と表現力が堪能出来るザ・フォーク・クルセダーズの名曲『悲しくてやりきれない』(作詞 サトウハチロー 作曲 加藤和彦)をご紹介します。彼女自身がウチナーグチ(沖縄言葉)に訳して唄っていらっしゃいます。上間さんは、インタビューに答えて「”悲しい”を直訳する言葉が見つからなかったんです。一番近いと思ったのが”あなたの想いを受けて私は心苦しい”という意味の”ちむぐりさ”」だったと云っています。沖縄。あの島には、そもそも「やりきれないほど悲しい気持ち」を表す言葉が存在しなかった。私たちが、彼らがやって来るまでは…。

 最後の箇所が尻切れとんぼとご不満の方は是非、上間さんのアルバム『タミノウタ〜伝えたい沖縄の唄』をお聴き下さい♪

 

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