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広島市立基町高校・創造表現コースの「次世代と描く原爆の絵」プロジェクトでは、どのような作品が描かれているのか教えて欲しい、観てみたいといった声が多数寄せられているため、所蔵されている広島平和記念資料館の許諾を得て、過去14年間に149名の高校生たちによって描かれた171点もの作品群の中から数点を順次、(拙著『平和のバトン〜広島の高校生たちが描いた8月6日の記憶』に収録されていない作品を中心に) ここでご紹介させて頂いています。

 

『火葬場と化した校庭』 作/岡部美遙 所蔵/広島平和記念資料館 (2019年度)

 

   己斐国民学校(現・広島市立己斐小学校)の校庭で、数え切れないほどの遺体が燃やされている場面に被爆体験証言者の八幡照子さんは遭遇しました。2名が1組となって、担架に乗せられた遺体を校庭に掘られた溝に黙々と放り込んで行く。真夏の熱気と燃え盛る炎から立ち上る陽炎。吹き上がる煙と立ち込める異臭。これを見た八幡さんは、「余りの衝撃で、何の感情も起こらなかった」と云います。「約二千人と記録に残る火葬された方々。大変な苦労をして描いてくれたこの絵を観て、あの時の悲しみや凄惨さが呼び覚まされ、泣きました」。

八幡さんの脳裏にこびり付いた記憶を辿り、正確に描写した岡部さんの作品によって私たちは、当時の人々が直面した地獄の一端を垣間見ることが出来ます。

 

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