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   梅雨が明けると、またあの暑い夏がやって来ます。常夏と云えば南米ブラジル連邦共和国。云わずと知れたサンバの本家本元です。夏が来れば想い出す はるかなリオ とおい空♪ というわけで今朝は、じめじめした曇天を吹き飛ばす、心地良い涼風をリオデジャネイロのビーチサイドからお届けしましょう。

 

   歌うはブラジルを代表するシンガー マリア・ベターニア。御年75歳の彼女がデビューを果たした1964年、同国では軍事クーデターが勃発し、以降85年の民政移管に至るまで国軍出身者が大統領の座を占めていました。ベターニアは、実兄のカエターノ・ヴェローゾと共に音楽を軸とした芸術思潮"トロピカリズモ"(Tropicalismo)に身を投じます。世界的知名度を得たボサ・ノヴァに、北東部バイーア州の民族音楽とロックを融合し、新たなブラジリアン・ミュージックを編み出しました。こうした芸術運動は軍事政権に対する抵抗といった側面もあり、ヴェローゾは”反政府主義活動”のかどで収監され、その後、英国へ亡命しています。

 

デビュー当時のマリア・ベターニア。ブラジリアン・ミュージックの”巫女”と称されていました。

 

  曲は、このブログでも以前ご紹介した私が最も好きなサンバの名曲『Sonho Meu』(私の夢)です(リオデジャネイロの代表的エスコーラ・ジ・サンバ インペリオ・セハーノの作曲家ドナ・イヴァネ・ララが1978年に作曲)。この映像は、同国の人気シンガーソングライター ゼカ・パゴヂーニョがホストを務めるテレビ番組にベターニアがゲスト出演した時のもの。何でしょう。この風通しの良さは、リラックスしたセッティングは♪(カメラワークがまた素晴らしいっ!) 残念ながら日本のテレビ屋さんに、こういった肩の力がスッと抜けたセンスの持ち主はいません。演出過多は音楽の魅力を半減させます。

あぁ、コパカバーナ・ビーチに揺れるタンガ、いや流れるサンバが懐かしいっ♪ SAÚDE! SAUDADE! 一日も早く新型コロナウイルスが終息し、またこんな心地良いライヴが楽しめますように。

 

【脚注】 タンガ(Tanga)とは元々、ブラジルの先住民族の女性が身につけていた腰巻きの名称でしたが、今ではいわゆるGストリング、俗に云う”ひもパン”を指すようになりました。リオデジャネイロの女性は、老いも若きもタンガをご愛用っ♪ だって、ラテンですもの。

 

単純な構成と思われ勝ちなサンバですが、実は複雑に幾つものリズムが絡み合っているのが良くわかります。また、裏メロを奏でるアコーステック・ギターが重要な役割を担っているのもサンバの特徴です。何と云っても、テーブルに一列に並んだいかついおっちゃんたちのかわいさと云ったらもうね♪

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