ひとは、幸せになるために生まれてきた。
不幸になるために生まれてくるひとなど
ひとりもいない。
ひとの幸せを奪うために生まれてきたひとも、
ひとのいのちを奪うために生まれてくるひとも、
ひとりもいない。
幸せをともにわかち合うことで
皆が幸せになれることは、
誰でも知っている。
だって、
ひとはそのようにして生まれてきた、
幸せになるために生まれてきたのだから。
あの日、
愛に満ちた家族や夫婦がいた。
朗らかに笑っていた赤子もいた。
75年前のこの日、
尊いいのちを奪われたひとたちの
愛に満たされた日々に想いを馳せよう。
朗らかな笑い声に包まれ、
精一杯生きていたひとたちが
生きた証を、残そう。
それが、
私たち生かされた者、
今もこうしてささやかな幸せを
感じることができる者たちに
託された務め。
だって、
ひとは皆、
幸せになるために
生まれてきたのだから。
8時15分。
この朝もまた、
平和の鐘が鳴り響く。
広島の、青い、青い
あの空の下で。
