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震災時に、西宮中央商店街のアーケードに掛けられていた時計

 

あの頃は、夜が長かった。

朝方まで原稿と格闘し、

疲弊し切った脳髄を

褥に横たえる前に

ふと、

テレビのスイッチを捻った。

午前5時46分52秒。

 

あれから、

すべてが変わった。

この世界、この国、

そして、私の生き様も。

 

いくら両手で瞳を覆っても

忘れられない光景がある。

どんなに鼻腔を塞いでも

拭い切れない臭気がある。

 

あの日は、昼が長かった。

はらはらと涙が頬を伝うのも

だらだらと鼻水が垂れるのも構わず、

夜半まで、

まるですべての感覚が

麻痺してしまったかのように

茫然と、

遠く離れた東京から

モニターを見詰め続けた。

 

そして、

神戸へ向かった。

私が生まれ育った地。

あれから、

すべてが変わった。

長く、湿気を帯びた

漆黒の夜の帳がおりた。

あの日から。

 

合掌。

 

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