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  先月19日に東京・神保町で開催された私の講演会『過去に学び、未来を描く。』(主催 子どもの本・九条の会)にはお陰様で多数の皆様にご参加頂きました。同会のメンバーで『子どもの本棚』(日本子どもの本研究会 編集・発行)の編集もされている福田晴代様が、有り難いことに参加者の皆様の感想文を送って下さいましたので、同会のお許しを得た上で、ここで幾つかご紹介させて頂きます。こうしたお声の数々は、私にとって大切な学びとなり、励みともなります。また皆様にお目にかかれる日を心待ちにしております。

 

  • 弓狩さんが、アートと教育のコラボレーションだと言っていましたが、その通りだと思います。体験者が高齢化している現在、時間がありません。できるだけ残して欲しいと思います。広島平和記念資料館のこんな素晴らしい営みがあることを知りませんでした。これは、弓狩さんが、子どもにも読むことが出来る『平和のバトン』という本を出版することで 伝わってきたことです。そして、今回の講演を聞くことができて、より深く知ることが出来ました。

 

  • 弓狩氏のお話で一番印象に残った言葉は、「真実と事実は違う」という一言でした。客観的な事実ではなく、一人の人間が、経験したことで感じた"真実"、それこそが、もっとも人の心を動かすのであり、だからこそ、録画や伝聞ではなく、一対一のコミュニケーションが必要なのだと実感しました。それこそが、記憶の、記録なのだと。

 

  • 今回の講演会は「世代の順番」という自分の中の固定観念を打ち破るものでした。1945年に10代だった人たちが現在10代の人たちに渡した被曝の「記憶」というバトンが、一枚の絵となり「記録」となる。時空を超えた10代同士の魂の響き合いが生んだ「被曝体験」のドキュメンタリーアート。10代の皆様からバトンを受け取る50代の私。講演が進む中、一枚の絵に込められたストーリーと、プロジェクト全体の複層的な意味が少しずつ見えてきて、幾度も涙があふれました。(中略)弓狩さんが、広島の復興を探る旅の途中で巡り合ったこのプロジェクトを複眼的に考察され「歴史の伝承の優れたエデュケーショナルメソッド」としての意味があることに気がつかれたこと。こうして明文化してくださったこと。弓狩さんの講演の中では、そこがもっとも印象に残りました。

 

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