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  ニューヨークと云えば、ロックフェラー・センターの豪華なクリスマスツリーと、ラジオシティ・ミュージックホールで毎年上演される『クリスマス・スペクタキュラー』(Christmas Spectacular)が、クリスマスの風物詩としてニューヨーカーのみならず観光客にも愛され続けて来ました。ところが今年は、新型コロナウイルスの影響で同・公演は 87年間の歴史の中で初めて中止されることとなりました。

 

  『クリスマス・スペクタキュラー』は、1925年に結成され同ホール専属のダンスチーム ザ・ロケッツによって、193312月から上演されています。創設者のラッセル・マーカートは「どうすれば男性客を魅了出来るか」と考え抜いた末、今やザ・ロケッツの十八番ともなったハイキック・ダンス(Eye-high leg kick)を編み出しました。この「目線の高さのキック」といった演出は、松竹歌劇団 (SKD)のラインダンスにも大きな影響を与えたと云われています。現在は、ファミリー向けの構成となっており、世界中の子供たちの憧れのステージとなっています♪

 

  この全編ダンスを中心に構成された舞台は感謝祭から新年の第 1週まで、約3ヶ月にわたり毎日 公演。各ステージ 40名のダンサーがパフォーマンスを行います。劇中に登場する楽曲はすべて誰もが知っている『ジングルベル』や『くるみ割り人形』といったクリスマスにちなんだ名曲の数々♪ 最初の聖夜を描く『ザ・リビング・ネイティビティ』(The Living Nativity)といった場面では、何と 3頭の本物のラクダと 6頭のヒツジ、2頭のロバと馬がステージに現れ、6,000人もの観客を収容する世界最大のインドア劇場で喝采を浴びて来ました。

 

今回ご紹介する動画では、ダンサーのミンディ・モーラーさんが公演期間中の一日を公開しています。ニューヨークの檜舞台に立つダンサーはどのように身体の手入れをしているのか? (2ステージで5,000カロリー/日が消費されると云います)  20分で済ませるという舞台用メイクアップのノウハウも丁寧に説明してくれています♪

場面展開が 8回もあるため、最短で 72秒の早替えも行うなど、ザ・ロケッツのダンサーには高い能力が求められます。一日 300回のハイキック・ダンスに耐えられるだけの体力と気力があるかどうか。いかに優れたダンサーであろうとも、毎年オーディションを受け直さなければなりません。この映像からは、彼女たちのプロ根性も垣間見ることが出来ます。

   ジングルベルが鳴らないクリスマス。果たしてサンタクロースはニューヨークに、そしてあなたの元にやって来るのでしょうか?

 

ダンサーのミンディ・モーラーさんの一日を追ったドキュメンタリー。身体の手入れからメイクの仕方まで一挙大公開っ♪

こちらは『クリスマス・スペクタキュラー』の全編。特に名作ミュージカル『バンド・ワゴン』を監督したヴィンセント・ミネリが手掛けた「おもちゃの兵隊パレード」(Parade of the Wooden Soldiers)の場面は必見っ長編なのでお時間がある時にどうぞ♪