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 昨日は戒厳令下、いや緊急事態宣言下にも関わらず、『DOUBLE FANTASY - John & Yoko』東京展 (ソニーミュージック六本木ミュージアム)へ駆けつけて来ました。ここで改めて説明するまでもなく同展は、ジョン・レノンとオノ・ヨーコの愛と闘いの軌跡を辿った大規模なエキシビションです(オノ・ヨーコの88歳の誕生日である来月18日まで開催)。

ジョンの生誕から80年、そしてロックの歴史そのものであった彼が兇弾に斃れ、その生涯を閉じてから40年となった昨年10月から、彼の故郷である英リバプールに続いて、ヨーコの故郷・東京にやって来たふたりの見果てぬ夢、ダブル・ファンタジーです。

 

   ジョン・レノン直筆の『Two Virgins』(1968年)

 

 

私が、音楽というものに目覚めた頃、辛うじてザ・ビートルズはまだ存続していました。ロックンロールがロックへと進化し、大衆音楽が多様な拡がりを見せた黄金期を、まさにオンタイムで経験出来たことは、私にとって何物にも代えがたい幸福でした。その中心には、いつもジョンがいたように思います。

特にザ・ビートルズ解散後、ソロになってから発表された『イマジン』を初めとする数々の名曲、そしてその徹底した「平和」へのこだわりは、私の社会との関わり方にも大きな影響を及ぼしました。彼が、ヨーコと共に発した「IMAGINE PEACE」、「GIVE PEACE A CHANCE」、「POWER TO THE PEAPLE」、そして「YES」といった珠玉のメッセージは、混沌とした現実世界と対峙し、時代と切り結ぶ上で、常にポジティヴに未来を見つめる上位概念として存在していました。「AMAZING THINGS WILL HAPPEN」(奇跡は必ず起こる)と。

 

明後日、核兵器禁止条約が愈々発効されます。「WAR IS OVER! IF YOU WANT IT」 (あなたが望みさえすれば、戦争は終結する!) と説いた彼は、天国で何を想うでしょうか。あの人なつっこい眼差しで、「ほら、云っただろう?」と微笑んでいるかも知れません。

 

1969年3月にアムステルダムで行われた〈Bed-In for Peace〉(平和のためのベッド・イン)のセッティングを再現した展示。

 

俗に〈Bed-In guitar〉と称されるギブソンJ160-Eアコースティック・ギター。2度のベッド・インに持参したギターの表面にはふたりの自画像が描かれています。

 

ジョンがニューヨークのヒルトン・ホテルのメモ用紙に書いた『イマジン』の歌詞(レプリカ)。この歴史的名曲の歌詞は、ヨーコが1967年にジョンに贈った著書『グレープフルーツ』の中の「Cloud Piece」というインストラクション作品からインスピレーションを得たと彼も認めています。