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  1970年代に第二次性徴を迎えたバンド小僧にとって、英ロックバンド ディープパープルはまさに通過儀礼のようなものでした(レッド・ツェッペリンはちょいとばかし難易度が高過ぎた)。特にGmのブルース・スケール4音に完全4度の和音をプラスした名曲『スモーク・オン・ザ・ウォーター』のあのわかり易いリフといったらどうでしょう♪ グレコ(神田商会のプライベートブランド)のレスポール・コピーモデル(EGシリーズ)を掻き鳴らすだけで、いっちょまえのロックンローラーになれたかのような気にさせてくれたものです。多少、テクニックを身につけると「はぁ? まだパープルやってんの?」と下級生を小馬鹿にしてかかるまでがお約束。とは云え、今になって改めて聴き直してみると、これがやっぱりええんですわぁ〜♪

 

  そんな元・パープル・マニアのよい子の皆さんには是非、こちらのヴァージョンを聴いて頂きましょう。1988年12月に発生したアルメニア地震の被災者を救済する目的で設立された基金「ライフ・エイド・アルメニア」(Life Aid Armenia)。そのチャリティ活動の一環として行われたプロジェクト「ロック・エイド・アルメニア」のために収録された『スモーク・オン・ザ・ウォーター』です(1989年7月8日、8月5日、27日録音)。

 

何が凄いってあーた、参加ミュージシャンのラインナップですよ。ギタリストには本家本元のリッチー・ブラックモア(76)を始めブラック・サバスのトニー・アイオミ(73)やラッシュのアレックス・ライフソン(67)。ピンク・フロイドを支えるロックギター界の神様仏様デヴッド・ギルモア(75)がいるかと思えばクイーンのブライアン・メイ(73)もあのオールカスタム・ギターを奏でているじゃありませんか。ヴォーカルにはディープ・パープルのイアン・ギラン(75)とザ・ロウよりはフリーの方が知られているポール・ロジャース(71)やアイアン・メイデンのブルース・デッキンソン(62)が参加。EL&Pのキース・エマーソン(故人)がハモンド・オルガンを操れば、イエスのクリス・スクワイア(故人)がベースラインをズンズン、ドラムはクイーンのイケメン担当ロジャー・テイラー(71)と来た。いやはや当時のオールスター・メンバーが綺羅星の如く揃い踏みした英ロック版『紅白歌合戦』状態となっています♪

 

 参考までに、参加メンバーの現在の年齢を付記してみましたが、ドラッグ & セックスまみれで破天荒な生き様、と思われていた英国のロッカーたちが意外にも長寿であることにがっかり、いやびっくり。何ならもう一度、このメンバーで再演してもらいたいものです。こんなご時世なので『ブラック・ナイト』辺りで手を打って頂ければありがたや、ありがたや♪