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愈々、海の向こうで投票が始まります。他国の選挙だとは云え米国は、泣く子も黙る世界一の超大国です。誰が親分になるかで世界情勢は様変わりするため、しっかり見ておく必要があります。

 

では次代の米大統領は果たして誰になるのか? 私はズバリ、トランプ大統領の再選と読みます。云うまでもなく私はトランプ贔屓でもなければバイデン嫌いでもありません。選挙は水ものなので、当たるも八卦。トランプ勝利予想は、あくまでも私なりの客観的な情勢分析の結果です。

 

最大の理由は昨秋、ニューヨーク、フィラデルフィアを訪れた際に肌で感じた好況感です。バブル経済当時とまでは行きませんが、あの時嗅いだ懐かしい空気に同地で触れた気がしました。人間とは、現金な生き物です。なかなか成功体験は忘れられない。今は新型コロナウイルスの影響で米国経済は落ち込んでいますが、欧州でも同じく対応に苦慮している。大多数の選挙民にしてみれば、民主党であろうが誰であろうがさして有効な手立ては打てなかっただろう、といった”言い訳”が立ちます。夢よ、もう一度。感染さえ収まれば…、といった心持ちでしょう。

 

報道は未だに「トランプ大統領劣勢」一色。これほどヒステリックにマスメディアがこぞって一候補を攻撃した例は過去にありません(共和党系はフォックス・ニュース・チャンネルと『ニューヨーク・ポスト』くらいのもの)。ただ、両候補の遊説の様子を見ていると”熱量”の違いは明らかです。ポピュリズムの成せる技でしょう。ソーシャル・スタンスを保つバイデン候補の集会は、教会の説教のように厳かですが、トランプ大統領の場合は、まるでプロレス会場。観衆を煽れば、観衆は歓呼で応じる。米国最大のワールド・レスリング・エンターテインメント(WWE)さながらにショーアップされた設えに圧倒されます。参加者の数から云ってもその差は歴然。現場を取材した記者であれば、とうの昔にわかっているはずなのですが…。

 

民主党の公約は、云ってみればオバマ政権時代の焼き直しでバイデン色が希薄(反トランプ票の受け口にしかなっていないのでは? といった印象が拭い切れません)。これでは別に彼でなくてもいいのでは? となってしまいます。終盤になって漸くオバマ前大統領も選挙キャンペーンに加わりましたが、元副大統領であるバイデン候補にとって彼は元ボスにあたります。心情的には意地でも力は借りたくなかったはず。悲しいかなバイデン候補にはオーラがないのが致命的です。

史上初のアフリカ系米国人女性副大統領候補といった触れ込みで颯爽と登場したカマラ・ハリス上院議員ですが、選挙戦が進むにつれて経験不足が露呈。スキャンダルも発覚し、こちらも失速気味です。現役大統領を破るためには圧倒的な”ボーナス・ポイント”がなくてはなりませんが、私にはどうしても「バイデン候補に逆転の目はあるのか?」としか映りません。

 

今回の大統領選、新型コロナウイルスの影響もあって確認作業に手間取る郵便投票が急増したため、結果が確定するまでにはかなりの時間を要することでしょう。米国は新たな指導者を戴いてクリスマスを迎えることが出来るのでしょうか? 世界の注目が集まっています。