現政権には、憲法改正が出来る能力も胆力もない、と度々指摘して来ました。個人的に「安倍劇場」の終幕は、新型コロナウイルス感染収束後と踏んでいましたが、意外にも早く訪れたようです。虎の尾を踏んだ現政権はレイムダックに陥ることから、政界はすでにポスト安倍に向けて動き出していることでしょう。

 

 検察法改正案を20200519.png取り下げたことで、首相にまで司直の手が伸びることはなくなりましたが焦点は、次期政権がこの7年余りの間に膨れ上がった様々な”負債”をいかに引き継ぎ、今年後半にも襲いかかって来るであろう世界的恐慌とどのように対峙するか。極めて困難な舵取りが求められます。

 

 小泉政権以降、我が国は加速時的に国力を失って来ました。東日本大震災や新型コロナウイルスといった想定外の災厄にも見舞われましたが、誰がリーダーの座に就こうと、この国の経済がかつての輝きを取り戻すことはないでしょう。ならば為政者は、冷静に現実を分析し、つまびらかに国民に情報を開示する。その上で、この国の未来予想図を明らかにし、真摯にコンセンサスを得ることが求められます。日本国民の「幸福」の価値観、物差しをリセットする戦後最大の大事業。腰の据わったリーダーが現れるか否かで我が国の行く末が定まります。「敵」は、そこにはいませんよ。