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思想信条を問わず、SNSで盛んに「発言」しておられる方々には、ほぼ例外なく笑いのセンスが欠落している。私なんぞとは異なり皆さん大層、根が真面目(?) なのでしょう。まるでガリ勉クンの如く、冗談を吐いたら吐いたで、豪快にスベるならまだしも、かなりお寒い空気を醸し出している。

 

ここで云うところの「笑い」とは、ギャグや駄洒落の類ではありません。諧謔でありウイットであり、エスプリです。かつて『ベトナムに平和を!市民連合』の代表をされていた作家の小田実さんにお話を伺った際、「笑いがないとやっていけへんよ」と仰っていました。片や大日本愛国党の初代総裁であった赤尾敏さんも同じ類のことを云っておられました。

 

欧米のみならずアジアでも、ユーモアのセンスのあるなしで教養レベルは計られます。いくら立派なお題目を唱えたところで、気の利いたジョークのひとつも云えなければインテリとしては認められない。ウィンストン・チャーチルも本田宗一郎も大のジョーク好きで知られていました。マハトマ・ガンジーも、「もしも私にユーモアの素養がなければ、これほど長く苦しい闘いには耐えられなかっただろう (If I’m humorless, you wouldn’t be able to endure a painful war this much lengthily.)」と云っています。ユーモア精神なくして、ひとのこころを動かすことなど出来やしない。「敵」は、そこにはいませんよ。