同国最大の都市ヤンゴンのアーロン地区では、道路に渡されたネットに無数の折り鶴が散りばめられ、国軍による弾圧の停止を訴えています。
ミャンマー連邦共和国の人権団体 政治犯支援協会(AAPP) の調べによれば24日の段階で、抗議デモに加わった人々の内、少なくとも286名がこれまで治安部隊によって殺されています。また2,906名が政治犯として収監され、拷問を受けています。23日には、同国第二の都市マンダレーで7歳の少女が射殺されました。子どもの権利保護団体 セーブ・ザ・チルドレン(CRC)によると、少なくとも20名の18歳以下の子どもたちが今回の軍事クーデターの犠牲となっています。
云うまでもなく、ひとつひとつのいのちはどれも一様に尊い。私が、敢えて亡くなった方々の数字をこのようにお伝えしているのは、軍事独裁政権によって2ヶ月足らずの間に、これだけの無辜な一般市民が無残にも殺されていることを皆さんに知って頂きたいからです。非暴力主義を唱える無防備な人々に対して引き金を引くことは、いかなる場合においても許されるものではありません。
米中関係が緊張度を増す中、予想していた通り、中華人民共和国のミャンマーにおけるプレゼンスを云々する声が出て来ました。中国事情に詳しい某・大学名誉教授などは「『民主派 VS. 国軍』の政治図式で捉えることは単純に過ぎるばかりか、問題の本質を矮小化してしまう」とまで述べています。
このいわゆる”一帯一路”を引き合いに出し「中国 VS. 米国」といった単純な枠組みで論じること自体、地政学的に云えば10年以上古い言説で、二国間対立だけには留まらない周辺各国との軋轢。その真っ只中に置かれていることが、現在のミャンマーという国の悲劇なのです(この点については、追々綴って行きます)。ひとのいのちを虫けらのように扱う軍事独裁政権の非道さから目をそらし長年、虐げられて来た市井の人々の民主主義を渇望する叫びを軽視すれば、それこそ事の本質を見失うでしょう。ミャンマーの人々の力を舐めてはいけません。
“SAY NO TO COUP #WE WANT DEMOCRACY #JUSTICE FOR MYANMAR”(軍事クーデータに”NO”と云おう。私たちは民主主義と正義を求めています)のメッセージボードを持つ女性。
民主化の象徴である三本の指を立てて見せる少女。
軍政に反対する抗議集会が全国各地で毎夜繰り広げられています。
ドローンによって上空から写されたキャンドル・サービス。
【写真】 『Mizzima TV』のフェイスブックより転載。