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タイ王国の首都バンコクで今月27日に開催された『ミス・グランド・インターナショナル』の決勝大会において、ミャンマー代表として参加したハン・ライさん(Han Lay)は、”Stop the War and Violence”(戦争と暴力を止めよう) をスローガンに掲げる同大会においてベスト20に選出されました。「国軍記念日」であった決勝当日、ミャンマー連邦共和国では軍事パレードが行われ、多数の市民が治安部隊によって虐殺されたことから、特別に発言の機会を与えられた彼女は、「市民的不服従運動」(CDM)を続ける祖国の同胞たちに敬意を表し、エールを送ると共に国際社会の速やかな支援を訴えました。

 

大会終了後も気丈にインタビューに応じた彼女は、

「ミャンマーの人々が行っている抗議活動 (市民的不服従運動) を大変誇りに思っています。私の家族も祖国にいますし、彼らの安否が心配なのは云うまでもありません。もちろん私が、帰国出来る目処はまったく立っていません。(市民の抗議活動を擁護したことで) 身に危険が及ぶ可能性はありますが、私は気にしていません。ミャンマーの同胞たちが直面している恐怖に比べれば、私のことなど何でもありません。発言することは私の権利であり、これは祖国の未来、私たち新しい世代に関わることなのです。彼らの想いをこうして代弁出来たことを誇らしく思っています」と、涙ながらに答え、

「国際社会には速やかに、ミャンマーの人々をサポートして頂きたい」と締め括りました。

 

  美しきひと、美しきこころ。国際舞台において軍事クーデターを痛烈に批判したライさんは、軍事独裁政権が存在する限り、再び祖国の地を踏むことは出来ないでしょう。愛する家族と会うことも容易ではありません。運命と呼ぶにはあまりにも苛酷過ぎる現実から目を逸らすことなく、ライさんは覚悟を持って、命を懸けて発言しました。それが彼女のミャンマー人としての誇りであり、闘いなのです。「国を背負う」とは、そういうことです。

 

『ミス・グランド・インターナショナル』の決勝大会において急遽、セットアップされたハン・ライさんの感動的な特別スピーチ。