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  本日発売の『毎日新聞』紙上において、第66回『青少年読書感想文全国コンクール』(全国学校図書館協議会・毎日新聞社主催、内閣府・文部科学省後援、サントリーホールディングス株式会社協賛)の入賞・入選者が発表されました (本年度の応募総数は207万2885編、参加2万2208校)。

〈中学校の部〉の課題図書に選ばれた拙著『平和のバトン〜広島の高校生たちが描いた8月6日の記憶』も、お陰様で全国の数多くの若者たちに読んで頂く幸運に恵まれました。改めて主催各位を始め、全国の書店、図書館、教育関係者の皆様に衷心より御礼申し上げます。

 

また、数ある文芸作品の中から拙著を選び、感想文を綴り「毎日新聞社賞」を受賞された橋本花帆さん(福島大学附属中学校3年 )、「全国学校図書館協議会長賞」を受賞された山下未結さん(京都府宇治市立宇治中学校2年)、土井優理さん(徳島県立富岡東中学校1年)には心からお祝い申し上げます。胸いっぱいの感謝の気持ちを贈らせて下さい。

 

例年であれば受賞者の皆様の晴れの舞台となるはずであった表彰式ですが、本年度は新型コロナウイルス感染拡大の影響から中止となってしまいました。私自身も感想文を書いて下さった皆様にお会いすることを心待ちにしていたため、残念でなりません。

 

   時代は移り変わり、新たな歴史が今、この一瞬にも生まれています。それでも、決して忘れてはならない歴史があります。受賞された皆様はもちろんのこと、少なくとも10万人を超える全国の中学生たちが拙著を手に取り、原爆とは何か? 被爆とは何か? といった歴史的事実を学ぶだけに留まらず、被爆体験証言者の皆様のあの日の、あの午前8時15分の体験、そして76年間にも及ぶ苦難の人生に想いを馳せて下さいました。

 

   拙著は、あくまでも「種」に過ぎません。しかしながら、多くの子どもたちの心に蒔かれ、やがて芽を出し、すくすくと育ち、「平和」という名の大輪の花を咲かせることでしょう。私たちには、子どもたちの叡知を信じ、このちっぽけな「種」が健やかに芽吹くよう丹念に水をやり、肥料を与え続ける責務があります。雨の日も、風の日も。世界中の子供たちが、満面の笑顔で「おはよう!」と云える平和な世界が来るその日、その朝まで。

 

 

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