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そりゃあね。

誰だって、地位や名誉は守りたいさ。

今まで、血の滲むような努力を重ねて

ようやく手に入れたものだもの。

 

でもね。

 

君は、何のために、気張って来たのさ。

自らの信念に背くことにも目を瞑り、

気にくわぬ奴らに土下座して。

金のため? 

 

そうじゃないだろう。

世のため人のため、などと考える

殊勝な輩は今どき少ないとしてもだ。

皆に認められたい、尊敬されたくて

歯を食いしばって来たんじゃないのか?

 

高々数十万、数百万如きの金で、

千円足らずの札を口に咥えて、

政治生命を棒に振る己の姿を見て

あの頃の君は、どう思うだろう。

 

白々しく白を切り続け、

言い逃れに終始する君を見て

恥ずかしくは思わないだろうか。

あの頃の君は。

 

いいかい。

政は、

君のためにあるのではない。

歳費は、

民に奉仕する君への

謝礼に過ぎない。

 

学を修めた君ならば

戴舟覆舟なる教えを

聞き知ってはいるだろう。

水は民であり、

舟は君だ。

 

水がなければ

舟は進まない。

水が荒ぶれば

舟は沈む。

 

櫓を扱えるようになったと

浮かれているようでは

櫂は操れない。

 

選良たる公僕よ。

滅六國者六國也と

肝に銘じて事にあたるべし。

 

舟よ、

帆を高く掲げよ。

水を貴しと為し、

民の羅針盤となれ。

 

 

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