Looking up the sky, Looking for freedom.
2024/05/13
ナチス・ドイツが建設したアウシュヴィッツ=ビルケナウ強制収容所の周囲には、3.3メートルのコンクリート柱に幾重もの鉄条網が張り巡らされ、400ボルトの電流が流されていました。フェンスの地下には約1メートルのコンクリートの板が埋められ、脱走用トンネルの掘削を妨げてもいました。
空を、見上げる。
雨の日も、雪の日も
憂鬱な雲に覆われた日も、
飽くことなく
ひたすら
空を見上げる。
塀に囲まれ
銃を構えた兵隊に
監視されていても、
空はたおやかに
果てしなく広がっている。
私は、
鳥になりたい。
10メートル
いや5メートルでいい。
翼を広げれられれば、
高い塀を乗り越えられる。
自由の地へ行けるのに。
空は、
私に語りかけても
微笑みかけてもくれない。
それでも私は、
見上げる
見上げ続ける。
鮮血が染み込んだ地ではなく、
小鳥がさえずる
木の葉が舞う
この空を見上げる。
いつまでも、いつまでも。
“天井のない監獄”と称されるパレスチナ自治区ガザでは、イスラエル国防軍とイスラム主義組織ハマスとの戦闘が始まった昨年10月7日以降、3万4,654人の住民が殺害され、負傷者の総数は7万7,908人にも上っています(今月4日現在。ガザ地区保健当局調べ)。また、破壊された建物の瓦礫の下に今も埋もれている遺体の数は、約1万体と推定されています。